先日、姫路から明石に向かう際、普段は乗ることのない山陽電車を利用することにした。いつもならJRの新快速を使うところだけれども、気分転換もかねて、たまには違う路線を使ってみたかったのが大きい。
実を言うと、山陽電車に乗るのは本当に久々のことで、以前乗ったのがおそらく約10年前のことだったと記憶している。それというのも、普段からJR神戸線の利用ばかりになっていて、山陽電車を使う機会が全然なかったためだ。
今回の乗車区間は山陽電車管内で完結しているが、この「直通特急」は、神戸高速線を経由し、阪神電車の大阪梅田駅まで走っている。終点までの所要時間はおよそ1時間40分。JRの新快速の姫路駅と大阪駅の間よりも30分から40分程度遅れての到着となっている。今回乗った区間に限ってみても、JRの新快速の方が山陽の直通特急よりも10分程度早く着く。
このような状況になっている理由は非常に簡単。新快速に比べて停車駅が多いことはもちろん、山陽電車の線形がJR神戸線よりもよろしくないためだ。JRの方は120km以上のスピードを出しても大丈夫なように設計されているが、山陽電車区間内はカーブが多く、思い切った高速運転ができない。所定の最高速度は現時点で100kmに制限されており、どうしても時間がかかってしまう。
そのためだろうか、乗車した列車でも空席が目立っており、容易に座ることが可能だった。もともと明石から姫路の間は、乗客の多い新快速でも着席しやすい区間ではあるのだが、それとは比べものにならないくらいのスカスカぶりだった。乗車する分にはこれ以上ないくらいの快適さだが、鉄道はお客さんに利用してもらってナンボのものだし、何よりどこか寂しいものがある。
目的地の山陽明石駅でも、やはり乗客はそれほどおらず、下車する方が目立っていた印象がある。混雑具合にしてみても、ホームから見えるJR明石駅との差は歴然としているようにも見えた(写真では電車が停まっていて分かりづらいけれども)。
私自身は、たまに乗る分には悪くないかな、とは思った一方、この先うまくやっていけるのか、と他人事ながらちょっと心配になったりもした。山陽電車の公式サイトを見る限りでは、色々とキャンペーンをやっているようだが、どこまで功を奏しているのだろうか。
この先、山陽電車はどうなってしまうのだろうか。少し、気にしておいた方が良いかもしれない。