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【将棋観戦】第81期名人戦七番勝負 第五局 ●渡辺明名人 - ○藤井聡太竜王(2023年5月31日、6月1日 対局)

対局の結果

渡辺明名人に藤井聡太竜王が挑戦する 第81期名人戦七番勝負第5局が、5月31・6月1日(水・木)に長野県上高井郡「緑霞山宿 藤井荘」で行われ、藤井竜王が94手で渡辺名人に勝ち、4勝1敗で名人位を奪取しました。

また、藤井新名人は谷川浩司十七世名人が達成した名人獲得最年少記録(21歳2カ月)を更新し、20歳10カ月で名人を獲得しました。

藤井聡太竜王が渡辺明名人に勝ち名人位を奪取 第81期名人戦七番勝負第5局|将棋ニュース|日本将棋連盟

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対局の感想

正直、一日目が終わった時点では、渡辺名人の作戦勝ちといった塩梅だったこともあり、今局での名人奪取はさすがにないのではないか、と思っておりました。実際、AIの評価によれば、2日目の昼食休憩後、終盤にさしかかる前までは、先手の渡辺名人の方が若干有利の状況だということだったそうです。

しかし、藤井竜王の二枚角による鬼手に、渡辺名人もすっかり悩まれたそうです。予想にない手を指されて困ってしまい、正確な応手もできませんでした。逆に言えば、藤井竜王は相手の想定を外す術に長けている証左でもあります。その後についても、一瞬の隙を決して逃さない、藤井竜王の比類なき実力が存分に発揮されたと言えるでしょう。

最後、藤井竜王が銀を打ち王手をかけたところで、渡辺名人はすぐに投了することとなってしまいました。どんな負け方をしようとも、プロの勝負師としての引き際の潔さが垣間見られたように思います。

なお、上述の通り、藤井聡太竜王は今期の七番勝負を制したことで七冠になりました。このことについては後ほど別の記事で書くこととといたします。

渡辺明九段が名人位を失冠したことについて

渡辺明九段は、王将位、棋王位に続いて、名人位も藤井聡太竜王・名人に奪取されることとなってしまいました。これにより、2004年に初めて竜王位を獲得して以来、18年半ぶりの無冠となりました。このことについて、本人は受け入れつつも、自身の胸の内をTwitterで述べておられます。

しかし、18年以上もの間タイトルを保持し続けていたことは事実ですし、タイトルを全て失ってしまったからと言っても自身の功績が消えてなくなるわけはありません。むしろ、いわゆる「羽生世代」と肩を並べられるほどの実力をお持ちでございます。年齢から考えても、今後もタイトル戦の挑戦者として名を連ねてくることは十分にあり得るでしょう。

一将棋ファンといたしましては、このまま藤井聡太竜王が八大タイトルを維持し続けるところも見たいですが、渡辺九段が再びタイトルを奪取する場面も目の当たりにできれば良いな、と思っております。そのため、これをきっかけに渡辺九段が今後も奮起してくだされば幸いでございます。

ともあれ、渡辺明九段、今期七番勝負も本当にお疲れ様でした。

ABEMA将棋チャンネルによる棋譜解説

【参考】今期七番勝負の観戦記事

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