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【将棋観戦】第64期 伊藤園お~いお茶杯王位戦 挑戦者決定戦 ○佐々木大地七段 - ●羽生善治九段(2023年5月18日 対局)

はじめに

記事のタイトルの通り、今期の王位戦の挑戦者決定戦は佐々木大地七段が制しました。これにより、同七段は藤井聡太王位との七番勝負を戦うことが決まりました。おめでとうございます!

公式発表

伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦 挑戦者決定戦 羽生善治九段VS佐々木大地七段戦が、5月18日(木)に東京・将棋会館で行われ、佐々木七段が117手で羽生九段に勝ち、藤井聡太王位への挑戦権を獲得しました。

第1局は7月7・8日(金・土)に愛知県豊田市の「豊田市能楽堂」で行われます。

羽生善治九段VS佐々木大地七段 伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦 挑戦者決定戦 佐々木大地七段の勝利|棋戦トピックス|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

今回の対局について

棋譜

今回の対局の棋譜は以下よりご覧になれます。

感想

一局を見返してみると、先手の大地七段の巧さが際立っていたように思います。決して羽生九段が良くなかったというわけではありませんが、それでも大地七段のここ最近の充実ぶりを実感させるものとなったのは間違いありません。

相掛かりの将棋を数多く指していた大地七段が、本局においても同様の戦法に持ち込めたというところで、大地七段にとってはこれ以上ない滑り出しとなりました。その後も、特に目立った悪手を指すことはなく、順調に差を広げていったというところですね。後手の羽生九段の応手にもほぼ正確に対応されており、最後は後手に収拾のつかない状況に追い込んでしまいました。

羽生九段も何とか食らいつこうと、不利な状況に陥っても何とか勝負手を繰り出しておりました。ただ、飛車がうまくさばけなかったことや先手の陣形をさほど崩すことができなかったことが、最後に大きく響いてしまいました。羽生九段が相掛かりの局面でどこまで頑張れるかも見所ではありましたが、大地七段の指し手の方が今回は上回ったようです。

最後まで見応えたっぷりの一局でした。本局も良いものを見ることができて良かったと思います。

七番勝負の展望

佐々木大地七段は、棋聖戦に続くタイトル戦の登場となりました。対戦相手は藤井聡太王位ということで、棋聖戦五番勝負も含めると藤井王位(六冠)との12番勝負ということになります。

大地七段が藤井王位に対しどこまで戦えるかは正直分かりません。ただし、大地七段にとっても藤井王位にとっても長丁場の争いになるでしょうから、どこかで一波乱が起こることも十分に予想できます(まあ、藤井王位は、かつて豊島将之九段と3タイトル戦で「十九番勝負」を争って全てモノにしてしまったということはありますが……)。

戦型については、お互いに居飛車党なので振り飛車戦が見られることはほぼないと思っております。ただ、相掛かりとなるか角換わりとなるかまでは予想がつきづらく、従って両棋士ともに、2つの戦型について、さらに研究をしておかないといけないことになるでしょう。こちらが思っているよりもハードな勝負になるかもしれません。

ともあれ、棋聖戦も王位戦も、両名には素晴らしい対局を期待しております。

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