中国地方の山陽(岡山・倉敷)と山陰(米子・松江・出雲)を結ぶ特急列車「やくも号」。私自身も、出雲に越してからというもの、何度となく利用しています。
今回はグリーン車の方に初めて乗りましたが、幸か不幸か、編成数の少ない「パノラマ型」の方に当たりました。その模様を簡単にまとめておくことといたします。
「やくも」について
所要時間・ダイヤ
上述の通り、岡山と出雲とを結ぶ特急列車で、始発から終点までをおよそ3時間で結んでいます。ちなみに、岡山から米子まではおよそ2時間、松江まではおよそ2時間半といった塩梅です。
なお、経由する路線のうち、山陽本線・伯備線(備中高梁から南)は複線なのですが、伯備線(備中高梁から北)・山陰本線はほぼ全てが単線なので、途中で行き違いによる運転停車が数回発生します。((岡山駅方面からの最終列車はこの限りではありません。))そのため、想定よりも少々時間がかかることを考慮に入れた上で、余裕のある乗車計画を立てる必要があります。
ダイヤは1時間に1本という分かりやすい構成になっていて、出雲市駅始発は4時代から18時代まで、岡山駅始発は7時代から21時代までというようになっています(ただし、岡山駅始発の最終列車だけは21時40分発と、普段の4・5分設定からはかなりかけ離れているので注意しましょう)。
乗車状況
岡山と山陰とを行き来している乗客の他にも、山陰地区の都市間を移動しようとする乗客も結構います(特に自由席)。
車内はガラガラであることも多く、平日であれば当日でも座席の指定は容易に行えますし、自由席に座るのも楽チンです。GWやお盆休み、年末年始などの多客期においても、時間帯によっては空きのある列車もあるなど、山陰地区を始めとした沿線の規模を思い知らされる状況になっています。
使用車両
「やくも」号は、国鉄時代の特急用車両「381系」が使用されている唯一の定期運行特急でもあります。381系は最近まで様々な地域で運用されていましたが、新型への置き換えが進んでいっております。逆に言えば、「やくも」は未だに置き換わっていないのが現状です。
一応、2022年から2023年をめどに381系を全て置き換えるという情報は出されています。((https://www.westjr.co.jp/company/business/material/pdf/list_rolling_stock.pdf)) ただし、正式な発表等がなされている段階ではなく、今後変更される可能性もあることから、ここは騒ぎ立てなどせずに見守っていきたいところですね。
なお、車内は数度にわたってリニューアル工事されていますが、内装に若干の古臭さが出てきているのは否めません。特に「乗客が使用できるコンセントは1つもない」というのが象徴的でしょうか。
2022年2月16日付のプレスリリースで、2024年春に新型車両が導入されることが正式に決まっております。
やくも号の目玉車両「パノラマ型グリーン車」
「やくも」号に使用される381系のうち、2編成のみ、先頭車をパノラマ仕様に改造したものがあります。JR時刻表などで「パノラマ型グリーン車」と称されているものです。
利用できる列車
「パノラマ型グリーン車」のある編成が必ず充当される「やくも」は以下の通りです。
- 9号(岡山11:04発)
- 25号(岡山19:04発)
- 8号(出雲市発7:22発)
- 24号(出雲市発15:30発)
日時によって「パノラマ型グリーン車」が充当されない場合もある「やくも」は以下の通りです。
- 7号(岡山10:04発)
- 23号(岡山18:04発)
- 6号(出雲市6:24発)
- 22号(出雲市14:33発)
グリーン車の風景
座席は1列+2列の3列形式となっています。在来線のグリーン車としてはよくある構造ですね。なお、最後部(11列目)のみ1列+1列の2列となっており、乗車定員は32名です。
くつろぐことが目的とされているためなのか、簡易テーブルは用意されておりません。その代わりにフットレストが設けられてはいます。ビジネス利用の人には辛いでしょうが、ゆったりと旅を楽しみたい人には良いのではないでしょうか。
乗車した感想
今回はパノラマ型の先頭車とは逆向きに進行していったため(グリーン車は山陰方面への配置となっています)、写真をいくつか撮って後は乗るだけとなってしまいました。日々の疲労のあまり、車窓の風景をろくに楽しめなかったことも、マイナスポイントでした。
それでも、腐ってもグリーン車、乗り心地は普通車とは比べ物にならないくらいに良かったと思います。座席の幅が広かったこと、フットレストがあったことも一因でしょうか。
復路(岡山・倉敷→山陰)についてもパノラマ型グリーン車に乗りまして、今度は思い切りパノラマ光景を楽しみたいところです。