先日、名古屋でのイベントに足を運ぶため、かつてから乗ろうと思っていた「名阪特急」に乗車できたので、そのことについて書こうと思う。
列車概要
「名阪特急」とは、近畿日本鉄道(通称「近鉄」)による特急列車で、大阪難波駅から、鶴橋、大和八木(奈良県)、津、四日市を経由して近鉄名古屋にまで至る。このうち、停車駅の設定が少ないものについては「アーバンライナー」という愛称が付けられている。
大阪難波駅から近鉄名古屋駅までの 「アーバンライナー」 の総所要時間は2時間10分程度で、新幹線(新大阪駅から名古屋駅まで「のぞみ」利用)に比べると1時間以上の差がある。ただし、正規運賃でも片道4,260円(特急料金込み)という安さのため、それなりに乗客を獲得できているようだ(新幹線の自由席を利用した場合の料金は、上記区間では5,830円)。
名阪特急は原則として全席指定制のため、事前に券売機や窓口などでの予約が必須となる。また、関西を走る私鉄の特急としては珍しく、乗車料金の他に特急料金を請求される(これは「名阪特急」に限った話ではなく、近鉄の「特急」は全て特急料金がかかる)。
車内の様子(ギャラリー)
なお、机はアームレストの中に収納されている(とは言っても、簡易的なサイドテーブルでしかない)。また、コンセントの類は一切存在しなかった。
さらに、もう一つ。今回乗車した「普通車」とは別に、「デラックスカー」と呼ばれる特別仕様車も、名古屋方面の先端に1両連結されていることを申し添えておく。こちらはJRで言う「グリーン車」のようなもので、座席は「2列+1列」の3列方式となっている。
乗車した感想
JRの特急(特に新幹線)が軒並み「速達性」や「滞在時間」をウリにしているのに対し、「名阪特急」は、時間をかけながらも、目的地までゆっくりとくつろぐことを主眼としているように思える(そういう意味では、フットレストは象徴的である)。料金も新幹線と比べるとかなり割安なため、あまり不便を感じるということもない。コンセントの差込口が取り付けられていなかったことだけが唯一の不満だったが、こちらは後々解消されてゆくものと思いたい。
上のギャラリーでは触れなかったが、車窓は割と広めに取られているため、沿線の光景を存分に楽しむことができる。特に、大和八木から津にかけての長閑な山間の光景は、一度見ておく方が良い。 朝方や夕方は光が強く差し込んでくるのが難点ではあるものの、カーテンを使えば特に問題にはならないだろう。
乗車状況については、大阪難波駅を発った時点でこそガラガラだったものの、鶴橋で乗客がなだれ込んできた。さすがにJR西日本(大阪環状線)との接続駅ということはあるか。((大阪メトロ「千日前線」のことも忘れないであげて!(苦笑)))
その後、津で乗客が大きく入れ替わったものの、乗車率そのものは大して変わらず、それなりに席が埋まっていたのが印象的であった。大阪から名古屋までの全線利用の他に、三重県の各都市へアクセスする手段としての地位も確立できているのだろう。
今度乗るとしたら、ぜひとも「デラックスカー」の方にしたいものだ。どんな旅路になるやら、今からでも想像したくなってくる。