一気に全部やってしまうのではなく、一日一日少しずつ積み重ねてゆくこと。そういったことの大切さを、ここのところ強く感じております。
例えば、オーディオブックで何か一冊分聞こうかというとき、その全てを土日の間に終わらせるとなると難しく感じてしまいます。一方、例えば1日につき15分から30分だけ聞いてみるとなれば、平日も休日も関係なく、どこかで時間を見つけて聞くことができると思います。一日の分量を少なくすれば、短期間では終われないという欠点はありますが、その分無理なく終えることができるというメリットがあります。そして、取り組む際に感じる敷居も低く感じることでしょう。何より、少しだけ聞いてみることを習慣化し、積み重ねていけば、1ヶ月経つだけでも2冊から3冊分のオーディオブックを終えることができるでしょう(もちろん、本の分量にもよりますが)。
SNSでも似たようなことがあるかと思います。どこの誰かも知らない人間が、ランチタイムに食べたものを毎日アップロードするだけのアカウントを作ったとします。一週間経過するだけではさほどインパクトは感じられませんが、一ヶ月経てばそこそこインパクトが出始めるでしょう。一年も経てば、ランチタイムに何が出るか楽しみになり、いつの間にやらそのアカウントのネタを見ることが習慣になっている、ということがあるかもしれません。アカウントの投稿が偶然であるにせよ計画的であるにせよ、積み重ねが生んだ大きな価値によりもたらされた現象と言って差し支えはありません。
勉強でも仕事でも遊びでも、いきなり多くのことをやろうと意識しても、なかなかできないものです。だからこそ、簡単なことや手の付けやすいことを少しずつ取り組んでいき、日々積み上げていくことが大事です。一ヶ月に300の英単語を覚えようと意気込むのは良いことですが、それを達成するために毎日10語ずつ覚えていくといった意識付けもやっておかないといけません。逆に、後で一気にやって取り戻そうと考えていても、もしかすると1日や2日では手の施しようがなくなっているかもしれません。そうならないようにするためにも、あらかじめ出来るところから行うのが妥当でございます。
もちろん、何かしらの大きな目標を掲げるのは大事なことですし、立派なことでもあります。ただ、それを達成するためには、どうしても時間がかかるということを意識しておかないといけません。一日や一週間ではどうにもならないことは、世の中に山ほどあるのです。
しかしながら、一日や一週間で対処可能な分量に作業を細分化、単純化するということも、また重要になってきます。自ら掲げた大きな目標を達成するため、一歩ずつ着実に進めていけるように道を整備していけば、将来的には達成できるようになります。また、そうすることで計画もより具体的になり、作業にも取りかかりやすくなるでしょう。
また、作業等を単純化することで、データの比較や検討もかなり容易になります。昨日はよく進めたけど今日は今ひとつだった、というような振り返りもやりやすくなるでしょう。そういったことを繰り返していけば、今後の方針も決めやすくなりますし、後どれだけ取り組めば大丈夫と言えるかも把握しやすくなります。
どんなきっかけであれ、小さなことを毎日続けていれば、それがいつか大きなものを生み出すことになるかもしれません。あるいは、何か大きな困難が立ちはだかっていると感じたら、それを細分化して取り組みやすくしてしまえば、もしかすると解決しやすくなるかもしれません(ちなみに数学の問題ではそういった視点も強く求められます)。
以上のようなことが多々あるからこそ、昔から「継続は力なり」と言われ続けているのですね。今後も積み重ねの精神を大切にしていきたいものです。