本日公開された情報によれば、松江市在住で新型コロナウィルス(COVID-19)の感染が確認された方の中に、出雲市の旧斐川町域に位置する「出雲村田製作所」に勤務している人がいる、ということである。
以下、詳細を書いてゆく。
情報ソース
会社のニュースリリース
報道機関
村田製作所によりますと、感染が確認されたのは、感染者の集団、いわゆる「クラスター」が確認された松江市の飲食店の客で、13日、感染が確認された松江市在住の30代の男性です。
引用元:出雲村田製作所の従業員が感染|NHK 島根県のニュース(魚拓)
従業員の感染確認を受けて、村田製作所では、従業員の健康や安全面に配慮するとして14日から16日までの3日間、出雲市斐川町にある工場の操業を停止しました。
工場の操業停止に伴い、およそ7000人の従業員は、全員、自宅待機にしているということです。
また、従業員のうち、男性の濃厚接触者は確認されませんでしたが、近くで一定時間会話するなど、接触があった60人余りの従業員については、2週間の自宅待機にしたということです。
村田製作所によると、従業員は製造ラインのオペレーター。保健所が示す基準に基づく濃厚接触者は事業所内にいないものの、接触が確認された従業員61人を2週間の自宅待機とし、健康確認を行う。
引用元:http://www.sanin-chuo.co.jp/www/contents/1586869808153/index.html
自治体による声明
所感
出雲村田製作所については、名前こそ知っていたものの、今まではとても規模の大きい工場というくらいにしか捉えてはいなかった。なので、ブラジル人を工場で働かせているということ以外には、これといってあまり特異性は感じてはいなかった。
ところが、今回の報道等により「自宅待機者がおよそ7,000人」という数を目の当たりにすると、「これはもう、どこから感染が起こってもおかしくはない」という思いにしかなりはしない。しかも、山陰中央新報社の記事によれば「接触が認められた自宅待機者は61名」というところから、さらに感染者が増える可能性は非常に高い、という他はない。1名も追加事例が出ないことを祈るばかりだが、望みは限りなく薄い。
また、待機者が7,000人((ちなみに、今月初旬に感染者が確認された福井村田製作所の待機者数は5,500人程度だそうな。参考:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57687190V00C20A4000000/))ということから考えると、勤務者が様々なところから出勤しているであろうことは容易に想像がつく。工場のある出雲市の旧斐川町域はもちろんのこと、中心部や旧大社町域、旧平田市域あたりも安全でないということになろうし、もちろん感染者が在住していた松江市も安全領域ではない。出雲市在住の私からしても、危機が刻一刻と身に迫るように感じられて、極めて恐怖感を覚える話ではある。
改めて、COVID-19の恐ろしさを思い知らされるニュースであった。まさに明日は我が身である。
情報確定前に発信した方々へ
実は、この情報については、今朝方よりTwitterやFacebookなどのSNSで拡散されており、一時はデマではないかとの見方も強まっていた。それというのも、村田製作所からのリリースやNHKのニュースが出たのは夕方あたりで、それまでは確証に乏しかったからである。私も噂としては知っていたが、正式な情報が出るまでは言及しないでいた。
早期に情報を出して歓心を得るのは結構なことだし、仮に従業員の方であれば一刻も早く伝えたくなる気持ちもわからなくはない。しかし、確定するに至るソースが出ないうちから情報を出してしまうというのは、周囲が混乱してしまう大きな要因となる。正しくても早まった情報が炎上につながるケースも少なくないし、場合によっては名誉毀損、機密情報流出等により会社から訴えられる危険性もある。((なお、会社や報道機関が情報公開するタイミングがあまりにも早すぎると、従業員や周辺住民の方から訴訟を受けたり、取引先との信頼関係が大いに損なわれたりする可能性がある。公開のタイミングは非常に難しいのである。))
こんなご時世である、どうかデリケートな情報の伝達には細心の注意を払っていただきたい。あなたの放った一言が、あなた自身を最悪の事態に陥れてしまわないように。