(上記画像はビッグモーター社の公式サイトのスクリーンショットです)
はじめに
- 「ビッグモーター」不正のウラに何があったのか 長年の“不文律”も一因か:高根英幸 「クルマのミライ」(1/6 ページ) – ITmedia ビジネスオンライン
- ビッグモーターが「客に無断」で他社の査定をお断り?告発が相次ぐ営業妨害疑惑 | 弁護士ドットコム発 | ダイヤモンド・オンライン
- ビッグモーター借入金90億円借り換え、複数の銀行が応じず…再建に向けた抜本対策見られず : 読売新聞
7月中旬より、ビッグモーター社の不正について様々な報道が連日なされているというところでございます。ただ、すでに数多くの不正が報じられている上に、銀行にも借入金の借り換え要請を突っぱねられているという有様で、もうそろそろ経営も行き詰まってきた感が強くなってまいりました。そして、仮に倒産となったとしても問題がすべて解決するわけではありません。保険金や車検、街路樹をはじめとして、解決に時間のかかりそうな問題は山積みでございます。
こうなってしまった原因については、既に多くの検証記事や検証動画があがっていますので、今更私の方から詳しく説明することはいたしません。ただ、報道されていることがすべて真実であるとするならば、今年5月ごろまでに不正の疑惑が一部メディアで報じられていたときには、今日見受けられたような炎上に発展してしまうのは最早時間の問題だったのではないでしょうか。
こちらの記事では、主に私が学ぶべきと考えている点について、簡単にまとめることといたします。
一連の事件から学ぶべきところ
一連の問題について私も気をつけないと思ったところがあるとするならば、それは「目標やノルマ、計画などを神聖視しすぎてしまい、それらを達成するためならば不正をいとわないというような風潮が形成されてしまった」というところだと思います。要するに「行き過ぎた完璧主義」が大きな問題の1つだと捉えないといけない、ということですね(もちろんこれが全てではありません)。
大前提として、不正行為自体は認められるものではありません。しかし、上層部の権力の使い方が極めて不適切なあまり、現場のスタッフの方々に逆らう術がなかったという点においては、情状酌量の余地があります。過大なノルマをほぼ滞りなく達成できるような社員でなければ、すぐさま降格や減給などの処分の対象になってしまうのですから、もはやどうしようもなかったと言う他はないでしょう。入社直後に退職に踏み込めなかったならば、後は地獄が待つのみです。
健全な職場だったら、そもそも不正行為に手を染めなければ達成できないような目標は設定されないはずです。また、もし目標が達成できなかったとしても、なぜできなかったかを再考して計画を練り直すのが先に来るはずで、未達成ということが直ちに社員の無能さを証明するというようなことにはなりません。一方で、ビッグモーター社は自社(と幹部たち)のことしか頭がなかったのか、やたら厳しすぎるノルマを設定しています。ルール上達成不可能な目標を達成してみろと言われ、NOとは決して言えないということほど、辛いこともないでしょう。
もう一つ、例えば、経営危機を乗り越えるために困難な目標を立てるというようなことは悪くないと思います。しかし、これは一ヶ月や三ヶ月、一年といった短期的なメソッドであるべきで、中期・長期の計画に組み込むべきではいけません。ましてや、それが日常になって何年も何十年も続くようであれば、今日報道されている通りの歪みが出てくるのも無理はありません。
普段の生活に置き換えてみると
過重ノルマについては、自分自身で目標を立てて行動に移すときにも、十分気をつけないといけないところです。周りの評価を気にするあまり、一ヶ月に10kgも減量しようと考えたくなったとしても、そんなのは無理です。仮に実現できたとしても、身体に負担をかけすぎて健康上の問題を起こしてしまうか、ストレスのあまり暴飲暴食に走ってリバウンドしてしまうか、どちらにしろ良いことはありません。
目先の結果に囚われてしまうばかりに後々煮え湯を飲まされることだけは、くれぐれも避けないといけません。ビッグモーター社の事件は許せないことですしあってはならないことですが、起こってしまったことは決して他人事とは思えないのが実感というところです。少なくとも他山の石として、改めて今後の仕事や私生活などに活かしたいところだと考えている次第です。
この記事のまとめ
- 不正行為をしなければ達成できないような目標は、もはや目標とは呼べない
- そうでなくても、厳しすぎるノルマを設定するのは短期的にとどめておきたい
- 後々煮え湯を飲まされることのないよう、目先の結果に惑わされず、無理が長続きしないようにする