JR西日本の岡山エリアに、およそ20年ぶりに新車が投入される予定。
概要
JR西日本が11月18日付で発表したところによりますと、2023年度より、新型車両101両が岡山・備後(広島県東部)エリアに順次投入される運びとなったということです。
この車両は、広島支社や和歌山支社で運行中のJR西日本227系電車をベースに開発されるもので、2両編成と3両編成が合計で101両製造される予定となっています。なお、それぞれの編成数については明らかにしておりません。
また、これらの新型車両は、現在岡山支社管内で運行中の旧型電車を置き換える形で、山陽本線などに順次投入されるということだそうです。
デザインや仕様等は詳細が決まり次第、後日改めて公表されるとのことです。ただし、227系電車がベースということで、類似した造形になることが予想されます。
今回の投入により、岡山支社における新型車両は、2003年の223系電車(5000番台、快速マリンライナーとして運用中)以来、実に約20年ぶりということになります(実現すれば)。ちなみに、岡山駅を発着する「スーパーいなば」用の車両「キハ187系気動車」は2003年10月より運行開始されたものですが、所属は米子支社です。))
国鉄車両も見納めの時が近づいているかも
JR西日本岡山支社においては、国鉄時代に製造された車両が未だに数多く在籍していることから、一部の好事家から「國鐡岡山」などと揶揄されることもしばしばあります。一方では、そのような国鉄型の車両を愛して止まない方にとって心のオアシスのような存在にもなっておりました。
ですが、昨今はJR西日本の各区域で列車の置換えが進んでおります。数年前には同じく国鉄型の車両が数多く在籍していた広島支社の広島エリアにおいて、227系電車という新型車両が続々投入され、旧型からの置換えがほぼ完了しているところです(非電化である芸備線は除きます)。和歌山支社においても、ワンマン運転に対応した227系電車の投入が着々と進んでいるというところです。それを考えますと、今回の岡山支社の動きも自然な流れと言えるのではないでしょうか。
古いものが淘汰されてゆくのは致し方ありません。とはいえ、特に国鉄車両のファンにとってみたら、かなり寂しくなることでしょう。それでも、残りわずかとなるであろう勇姿を、陰ながら静かに見守りたいものではありますね。
その他、気になるところ
運用についてですが、具体的にどのようなものになるかは分かりません。ただ、3両と2両しか製造しない(国鉄117系電車に見られるような4両編成タイプは作らない)というところから、ワンマン運転の時間帯や区域が広まったり、既存の運行分について両数が減らされたり、といった懸念はあります。さらに言えば、117系電車4両編成での運行が原則となっている快速サンライナーの扱いがどうなるかも注目ですね(ここ数年運行本数が減らされる一方ではありますが)。
また、当の新型列車が運用される区域がどこまでになるか、というのも見ものではあります。岡山支社所属の国鉄115系電車が1日のうちに数本、西出雲駅まで(から)運行されるということはありますし、南東においても姫路駅まで、南西においては三原駅までならば運行されております。そこで果たして、全区間において置換えができるか、というところも見ておきたいところです。
後は、福塩線の福山駅と府中駅との間で運用中の国鉄105系電車の今後も気になるところですが、置換えには至らずノータッチの状況が続くんでしょうかね。
ともあれ、今後の発表を待ちたいところです。
【追記】車両デザインが決定(2022/05/19)
2022年5月10日付けの上記ニュースリリースにおいて、新型車両のデザインが公開されております。デザインコンセプトは「豊穏の彩」(「ほうおん」の「いろどり」)とのことです。
従来のJR西日本227系電車のデザインを踏襲しつつも、アクセントカラーには薄桃色が用いられており、「岡山・福山らしさ」が感じられるものとなっています。実際、この色彩は「岡山の桃」「福山のバラ」「尾道の桜」をイメージしたものである、とのコメントも添えられています。
この車両の愛称については後日公募により決まるとのことなので、引き続き発表を待つことにしたいものです。