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一畑電車、夜間の列車の一部および土休日の特急・急行を4月30日より運休(5月末までの予定)

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電鉄出雲市駅に停車中の特急出雲大社前駅行き(運休対象列車)

あまりの乗客の少なさのためか、とうとう一畑電車が一部列車を運休とするようだ。

※後日公表された情報を反映しました。(2020/05/25)

概要

一畑電車のリリースによれば、「新型コロナウィルス(COVID-19)にともなう緊急事態宣言」にともない、不要不急の外出を取りやめるように呼びかけられているところ、一畑電車は利用客の急激な減少に見舞われているという。ただでさえ経営状況が厳しいと言われている中で((だからこそ、去年11月には「ばたでん助け隊」が立ち上げられていたのである。))、現状のダイヤを継続するのは、同社にとっては不可能極まりないことであったようだ。

そこで、4月30日より、夜間の列車や土休日の特急・急行が取りやめとなることとなった。暫定の時刻表は、各有人駅で配布されているという((出雲大社前駅、電鉄出雲市駅、川跡駅、雲州平田駅、松江しんじ湖温泉駅は確実だろうが、平日朝方のみ有人となる大津町駅のみ要確認。))。

なお、平日の特急・急行については今回は運休の対象外となっている。とはいうものの、そのうち何かしら動きがあるのではないかと思われる。

運休列車

上記リリースの案内だけでは分かりにくいと思うので、具体的にどの列車が運休されるかを、一畑電車が公開している時刻表をもとに書き出すこととする。なお、今後の利用状況によっては更に運休列車が増える可能性もあることに注意されたい。

平日

始発駅(発車時刻)終着駅(到着時刻)
電鉄出雲市(22:14)松江しんじ湖温泉(23:11)
※雲州平田(22:34着)止まりに変更
電鉄出雲市(23:09)雲州平田(23:28)
出雲大社前(23:05)川跡(23:16)
松江しんじ湖温泉(22:30)電鉄出雲市(23:28)
川跡(23:20)出雲大社前(23:31)

土休日

始発駅(発車時刻)終着駅(到着時刻)
電鉄出雲市(11:50) ※特急出雲大社前(12:06)
出雲大社前(15:35) ※急行松江しんじ湖温泉(16:20)
電鉄出雲市(21:38)松江しんじ湖温泉(22:35)
※雲州平田(21:58着)止まりに変更
電鉄出雲市(22:33)雲州平田(22:52)
出雲大社前(22:29)川跡(22:40)
出雲大社前(14:35)※特急電鉄出雲市(14:51)
松江しんじ湖温泉(21:54)電鉄出雲市(22:52)
川跡(22:44)出雲大社前(22:55)

所感

臨時時刻表の配布光景(電鉄出雲市駅にて)

一畑電車の部外者としては、「乗客が急減したのは外出自粛の呼びかけがうまくいっている証拠」に他ならず、したがって本来ならば安心しないといけない事案である。しかし、一畑電車をちょくちょく利用している身として、これほど寂しさや厳しさを感じられることもない。

鉄道だって慈善事業でやっているわけではないし、乗客が少なくなれば運行便を減らしていかざるを得ない。その結果、一畑グループが、その根幹たる鉄道事業から撤退するという話が持ち上がったとしても、決しておかしくはないはずだ。特に島根県にとってみれば、県の中部を走っていた三江線(JR西日本)が2018年3月末で廃線となったばかりなので、妙に現実味がある。

このままであれば、電車を運行するたびに赤字を垂れ流す格好となるのは目に見えている。そこで、できることならば、何らかの形で一畑電車の存続をお願いしたいところだけれども、まさか私が電車に乗りまくるわけにもいかない(それこそ不要不急の外出となってしまう)。一畑電車への募金手段としてクラウドファンディングを募るのも手かもしれないが、今はこんなことをやっている場合ではない、とも思う。

何ともやりきれない思いだけが、私の心に募ってゆく。ほとぼりが冷めた頃に「ばたでん」が健在であれば何よりなのだけれども……。

【追記】運休ダイヤは5月末をもって終了

5月25日付で公開された上記リリースによれば、上述の運休は2020年5月末をもって終了となる、ということである。緊急事態宣言が各都道府県で順次解除されたことにともなうもので、県内外を問わず客足が従来どおり戻ってくることを見込んでの処置と思われる。

ここ数ヶ月の間、一畑電車にとっても煮え湯を飲まされてしまったことは、想像に難くない。それだけに、これから先、少しでも「ばたでん」に多大なる幸があらんことをお祈りするばかりである。

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