「FAQやマニュアルなどを用意しているのに、誰も読んでくれない」「問い合わせの前にFAQを見てほしい」などと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
実際、多くのユーザーはFAQがあることに気づかず、または面倒に感じてすぐに問い合わせをしてしまいます。では、なぜFAQは読まれにくいのでしょうか。そして、どうすれば読まれるFAQを作れるのでしょうか。
この記事では、その理由と解決策について考えていきます。
FAQが読まれない主な理由

- 1. 探しにくい場所にある
ユーザーがFAQを見つけにくい場所に配置されていると、当然ながら読まれません。トップページや問い合わせフォームの近くにリンクがないと、ユーザーはFAQの存在に気づかないこともあるでしょう。
- 2. 文章が長すぎて読む気にならない
FAQが長文だと、一目見ただけで「読むのが面倒そう」と感じてしまいます。特に、スマホユーザーはスクロールが増えると離脱しやすいです。
- 3. 自分の疑問がどこにあるかわからない
FAQが整理されておらず、どこに自分の知りたいことが書かれているのか分からないと、結局問い合わせた方が早いと思われてしまいます。
- 4. 専門用語が多く、理解しにくい
ユーザーは必ずしも専門知識を持っているわけではありません。業界用語や専門用語が多いと、FAQを読んでも解決しないことがあります。
- 5. FAQを読んでも解決しないことがある
FAQが古くなっていたり、実際の問い合わせ内容とズレていたりすると、ユーザーは「FAQは役に立たない」と判断し、次から読まなくなります。
読まれるFAQを作るためのポイント

FAQやマニュアルなどの説明資料は、作成に時間がかかる割に効果が見えにくいため、面倒に感じがちです。
しかし、適切に作成すれば、他の方にわかりやすいものになるのはもちろん、自分にとっても将来的に負担減となることが考えられます(後述)。
目立つ場所に配置する
どこにあるか分からなければ、そもそも読まれようがありません。 できるだけ目立つ場所に配置し、確実に見てもらえるようにしましょう。
- トップページやメニューに「よくある質問」を分かりやすく表示する
- 問い合わせフォームの前に「FAQを確認しましたか?」とリマインドを入れる
- 検索機能を強化し、キーワード検索でFAQがすぐに見つかるようにする
短く、簡潔にまとめる
文章が長すぎると理解しづらくなります。できるだけポイントを絞り込み、分かりやすく伝わるようにしましょう。
- 一つの質問に対して、一つの明確な回答を書く
- 長い説明は箇条書きで整理する
- 「〇〇とは?」より「〇〇の使い方は?」のように具体的な質問にする
視覚的に分かりやすくする
ただ単に文字を羅列するだけでは半分も理解してもらえないものです。 装飾や画像を効果的に利用し、確実に伝わるようにしましょう。
- 見出しや太字を使って重要な部分を強調する
- スクリーンショットやイラストを活用し、操作方法を分かりやすく説明する
- 「人気の質問TOP5」などランキング形式にするのも効果的
カテゴリー分けをして整理する
全く整理されていない情報は敬遠されてしまいがちです。 いざというときにすぐ見つかるよう、カテゴリやタグなどを使って効果的に整理すると良いでしょう。
- 「料金について」「使い方」「エラー対策」などカテゴリごとに分類
- 1つのページにすべて載せるのではなく、カテゴリごとに分けて読みやすくする
- 各カテゴリのトップには「よくある質問ランキング」を掲載
すぐに役立つ情報を提供する
いざというときに分かりづらく役に立たないFAQ・マニュアルは意味がありません。 他の方、よく分かっていない方が見るものであると認識し、定期的なフォローやブラッシュアップを欠かさないようにしましょう。
- 回答の最後に関連するFAQやガイドへのリンクを貼る
- 「詳しくはこちら」というリンクを設置し、追加情報へ誘導
- 定期的にFAQを更新し、最新の情報を反映する
FAQの改善例
改善前のFAQ
- サービスの利用方法を教えてください。
サービスを利用するには、まずアカウントを作成し、その後ログインしてください。ログイン後、ダッシュボードから必要な機能を選択できます。
詳細な手順については、ヘルプページをご参照ください。
改善後のFAQ
以下のように、短く・簡潔に・リンク付きでまとめることで、ユーザーはすぐに解決策を見つけることができます。
- サービスを使うにはどうすればいいですか?
3ステップで簡単に始められます!
- アカウントを作成(登録ページ)
- ログインする(ログインはこちら)
- ダッシュボードから機能を選ぶ(詳しくは使い方ガイド)
整備する上での利点など

以下のとおり、FAQやマニュアルを整備することは、作業効率の向上だけでなく、ユーザーの満足度の向上やトラブル防止にもつながります。
FAQ等を整備することによる利益
- 問い合わせ対応の負担軽減
- よくある質問への回答をFAQにまとめることで、同じ問い合わせに繰り返し対応する手間が減り、サポート業務が効率化します。
- 業務の属人化を防ぐ
- マニュアルが整備されていれば、特定の作業者に依存することなく、誰でもスムーズに作業できます。
- ユーザーの満足度向上
- ユーザーが自分で素早く問題を解決できるため、待たされるストレスが減り、サービスや製品への満足度が向上するでしょう。
- 作業ミスの防止
- 明確な手順や判断基準を示すことで、誤った対応や業務ミスを防ぎ、品質を一定に保つことができます。
- トラブル時の迅速な対応が可能になる
- 緊急時にどう対応すべきかを事前にまとめておけば、混乱を防ぎ、迅速に適切な対処ができるでしょう。
FAQ等を整備しないことによる不利益
- 問い合わせ対応が非効率になる
- 同じ質問に何度も答えなければならず、対応する側の負担が増えます。
- 回答がスムーズにいかない
- 作業のノウハウが口伝えや個人の記憶に依存し、回答者が変わるたびに混乱が生じる可能性があります。
- ユーザーの不満が溜まる
- 解決策がすぐに見つからず、不便に感じたユーザーが不満を持ち、クレームや離脱につながります。
- ミスやトラブルが増える
- 明確な指示がないため、個々の判断に頼ることになり、対応のばらつきやミスが発生しやすくなります。
- 全体の生産性が低下する
- 基本的な情報共有ができていないと、無駄な時間が増え、他の重要な業務に集中しづらくなります。
まとめ
FAQやマニュアルは、「短く・簡潔に」「見やすく・探しやすく」「ユーザー目線で作る」ことで、より分かりやすくなります。
読まれないFAQを作るのではなく、「これを見ればすぐ解決する」と思ってもらえるように工夫しましょう。