一畑電車の松江しんじ湖温泉駅の付近にある足湯

一畑電車の松江しんじ湖温泉駅の出口、バス停のすぐそばには足湯がある。温泉地としては玉造温泉に比べると小規模でありながらも、さすがに温泉街の玄関口ということだけはある。

先日の夜間、ふとその足湯を見てみると、寒さの影響か、湯気がもくもくとたちこめていたのが目に入ってきた。こういう折に実際に入ってみると、かなり気持ち良いことだったかもしれない。ただ、当日はタオルや替えの靴下を用意していなかったことなどから、利用を見送ることとなった。

それにしても、こういった冬場ならではの光景を目の当たりにできたというのは、存外運が良かったことなのかもしれない。見るからに美麗とは言えないものの、しみじみとした侘しさの中に美しさや奥深さを見出だせるのは、日本人の性ということもあるのだろう。この感性は、これから先もずっと大切にしていきたい。

 

一昔前、まだ私が家族と一緒に過ごしていた頃は、皆生温泉の旅館などにもちょくちょく泊まりに行っていたものである。しかし、一人暮らしを始めてからというもの、そういった楽しみはすっかりなくなってしまっている。

またいつか、近いうちに、温泉宿らしい温泉宿にでも泊まって、日本独特の娯楽にまつわる感性を幾ばくかでも取り戻したいものだ。たとえば、松江しんじ湖温泉で言えば「なにわ一水」とか「すいてんかく」とか。