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【感想】『学びを結果に変えるアウトプット大全』(サンマーク出版)

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表紙イメージ(公式商品ページから)

この記事は、『学びを結果に変えるアウトプット大全』という本について書いてみたものである。ご購入、ご検討の参考にしてくだされば幸い。

 

インプット偏重になりがちな我々への処方箋

これはとんでもない本だ。インプット偏重になりがちな私たちに鋭いメスを入れてくれる、とても痛快ですぐにでも使える優れ物である。

実際のところ、私たちはインプット(「読む」「聞く」)に走ってしまいがちだ。自分に足りない知識を集めようとあちらこちらを奔走しては、頭の中に詰め込んでしまう。そうすることによってのみ、自分がようやく世間の一員として認められるかのように。

しかし、インプットばかりやっていては、せっかく覚えようとしたこともなかなか覚えられない。実際、アウトプット(「話す」「書く」「行動する」)の伴わないインプットは、どうあがいたところで長期記憶に保管されるようなことはないし、周囲や世界を変えることもできない。

この本は、アウトプットにまつわる重要性を様々な方面から、科学的なデータを交えて紹介しており、とてもためになる一冊ではないかと思った。今後の執筆活動においても大きな影響を受けた本になりそうで、書かれてあることを身につけずにはいられない。

 

なぜアウトプットが重要なのか

著者は、インプットとアウトプットについて、時間における「黄金比」を「3対7」としている。すなわち、アウトプットはインプットのおよそ二倍の時間をかけなければいけない、ということになる。

どうしてそこまで長い時間をかけなければいけないのか。例えば、本の感想なら、読書メーターやTwitterで少し書いて終わりにすれば良いのではないだろうか――。だが、そうは問屋が卸さない。本の内容を記憶する上では、アウトプットが欠かせないのである。アウトプットが伴っていなければ、あやふやなことしか説明できない。脳には意外と記憶は残らないもので、話したり書いたりすることで初めて記憶として定着しやすくなるのだ。

インプットをしたら、まずはアウトプットである。「本を10冊読んで一冊もアウトプットしなかった」というよりは、「3冊しか読んでいないけれども3冊ともアウトプットした」ということの方が価値は高い。自分にとって読んだ本がどういう位置づけであるかなどが記録として分かりやすくなるし、自分の言葉で説明しようとする努力により記憶としても残りやすくなる。

また、アウトプットすることによってのみ自分や世の中を変えることができる、と著者は主張する。インプットはあくまで自分の中身を変えるだけに終わるので結果として外の世界には何の変化ももたらさない。一方で、アウトプットは実際に身体を動かすので記憶に定着しやすくなるし「成果」にもなる。また、外の世界に働きかけることさえできる。アウトプットなくして、変革はあり得ない。だからこそ、アウトプットはインプットに劣らず重要なのである。

 

サイクルとフィードバック

できることなら、「インプットとアウトプットのサイクル」を確立することが望ましい。少しインプットをして、アウトプットに時間をかけて、を繰り返すのだ。数学や英語などの問題集に手を付けるイメージである。知識として新しく覚えたことを類似の問題で確かめる、ということを継続するのである。

その際に重要なのが「フィードバック」だ。これは自分がアウトプットしたものについて、自分自身で何かしらの反応をするということである。「どこで間違えたのだろうか」「どうして成功したのだろうか」「どうやれば短時間で済ませることができるだろうか」というような考察は、全て「フィードバック」である。「フィードバック」なくして、自身のアウトプットが改善されることはない。

学校のテストで50点しか取れなかったとしても、どこをどうしたらそんな点数になったのか、しっかりと振り返ろうとするのは、しっかりと「フィードバック」を行っていることになる。一方で、80点を取ったとしても、正答した部分と誤答した部分についての振り返りが一切ないのであれば、「フィードバック」はやっていないことになる。どちらの方が「伸びしろ」があるかは明白であろう。

もちろん、「フィードバック」は自分だけで行うのは大変に難しい。友達や先生といった協力者が必要不可欠だ。とは言っても、今すぐに協力してもらうというのも難しいと思うので、普段から協力し合えるような関係作りに励んでおくというのが良いのではないだろうか。

 

今からアウトプットするには

具体的なアウトプット(すなわち、「話す」ことと「書く」こと)の方法論については、本記事では説明をしない。ぜひとも本書を手にとって読んでいただきたいところだ。

その代わり、アウトプットを今すぐにやりたいという方向けに、巻末で紹介されている手法を紹介する。

  1. 日記を書く
  2. 健康状況の記録をする
  3. 読書感想を書く
  4. 情報発信する
  5. SNSに書く
  6. ブログを書く
  7. 趣味について書く

これらがどうして効果的であり、続けるにはどうすれば良いのかについては、ぜひとも本書を手にとって読んでいただきたいと思う。

アウトプットは紙とペンさえあればすぐにでも始めることができる。あるいは、TwitterやFacebookを使ってさえいれば、始めるのは容易だ。これらのツールを使うことで自分の記憶力が増強されるのだとすれば、やらないわけにはいかなくなるだろう。

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