私用で大阪日本橋のでんでんタウンまで行った折、「東京チカラめし」にふと立ち寄ってみた。

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この店、一昔前は東京都内を中心に一躍ブームとなって続々出店していたそうだが、一度ブームが終わると瞬く間に閉店ラッシュが続き、今では全国でも数えるほどしか残っていない。そういった事情もあって、大阪日本橋の「東京チカラめし」は「数少ない生き残り」と言えるだろう。

そこで今回私が注文したのは、定番の「焼き牛丼」。たれをつけて焼いた肉をご飯に乗せただけの、見るからに素朴な一品である。

味はそれほど不味くはないが、かと言って特筆すべきほどに美味しいというわけでもない。たまになら良いが、毎日食べようとなると飽きてしまうことだろう。値段も吉野家や松屋と比べると少々割高感を感じる(並盛でさえ450円「も」する)。なので、毎日利用するとなれば、どうしても従来の牛丼屋の方に流れて行ってしまう。

ただ、それでも、「焼き牛丼」という新たなジャンルを作り上げたことに関しては、「東京チカラめし」は評価に値するのではないのかな、と思う。実際、松屋が類似する商品を出して好評を博している(らしい)ことからも、目の付け所自体は悪くはなかった(ただし、味のつけ方や展開のやり方などは松屋の方が一枚も二枚も上手だ)。

この写真は、4月30日現在、松屋が期間限定商品として販売している「焼き牛めし」だ。以前は「東京チカラめし」とほとんど変わり映えのしない盛り付けになっていたのだが、今般はネギや半熟卵が乗せてあるなど、盛り付けが少々華やかになっているように思う。こういったアレンジができるのも、松屋の強みというところか。

一方、「東京チカラめし」のメニューを見たところでは、独自のアレンジメニューを出すなどしてはいるようだけれども、どうもありきたりという感じが強い(いつの間にやら「上ロース」を使用したメニューが出ていることには驚いたが)。大阪日本橋の店舗の周辺は人通りが多い分、それなりに繁盛しているようだけれども、この先どうなるかは不透明といったところか。首都圏に存在していた数々の店舗のように、いつの日にか消えてなくなってしまうかもしれない。

それならば、この店が残っているうちに、できる限り多くのメニューを頼んでおくと良いのでは――そういう考え方は、少々野暮かもしれない(苦笑)。

余録

以前東京の新宿に行った折にいただいた「東京チカラめし」の定食。定食のご飯がお替り自由なのは、東京も大阪も変わっていない。

なお、この新宿の店舗(1号店というらしい)は、まだ現存しているというらしい。大阪ともども貴重な1件である。