乗車状況

姫路駅から西明石駅の間は、割と空席が目立っていました。乗った日が平日ということもあったのか、あるいは当該列車の姫路駅での発車時間が18時過ぎと帰宅するには少々早かったからなのでしょうか。要因は様々ありますが、ともかくアッサリと乗れてしまいました。

ただ、西明石駅を過ぎますと、それなりに席は埋まってまいりました。乗車整理券を発券する乗務員さん(二人もいた)の動きもかなり慌ただしくなっておりました。途中途中で降りる客もいるものの、たいていは大阪以遠を目指す人だったと思います。

そして、三ノ宮駅に達すると、かなりの乗客が入り込んできました。有料座席部分に入り込む人もいましたし、立席部分で立ち止まる人も結構いたように思います。

その後、私は大阪駅で降りましたが、ホームにはAシート目当ての乗客が列を作って並んでおりました。それぞれの乗車口に20人以上はいるでしょうか、結構な数です。やはり、帰宅の際には、お金を払ってでも良いから座りたい――そう思っている人が結構いるのだろうな、と感じた瞬間でした。

 

車内環境

他の車両同様、全ての座席について転換式のクロスシートを採用しております。各座席のアームにはコンセントの差込口および簡易テーブルが備わっており、昨今の特急列車と同様の乗り心地を味わえます。これだけでも、席料500円を払う価値はあると思います(特にスマートフォン等を常用している方には)。

特に素晴らしいと思ったのがコンセントの差込口です。東海道新幹線・山陽新幹線の車両とは違い、窓際でなくともコンセントを利用できるようになっているのがミソです。よくもまあ、「JR西日本電車223系」の車両をここまで改造できたものですね。

 

実際に乗車した感想

尼崎駅から大阪駅、大阪駅から新大阪駅といった短距離なら、さほど価値は感じないと思います(よほど疲れているのなら別でしょうが)。しかし、姫路駅から大阪駅といった長距離での乗車、あるいは三ノ宮駅から大阪駅、大阪駅から京都駅といった、混雑の激しい区間を乗車するのであれば、「Aシート」を利用する価値は十分にあります。

特急料金やグリーン車自由席とは違い、どこまで乗っても席料は500円840円のままです。早い話、始発の姫路駅から終点の野洲駅まで乗り通しても同額で乗れてしまいます。使いようによっては、兵庫県から滋賀県まで、座席の事前予約や携帯の充電の心配をする必要がなく快適に行ける、ということです。

一方で、座席は先着順のため、利用客があまりに多かったら利用できないというのがネックではありますね。三ノ宮駅や大阪駅など、降車する客が多い駅での乗車を狙うのが良いかもしれません。 予約しなければならなくなった分、利用できるかどうか心配するのは野暮ったくなってしまいました。使いたければ、是非とも予約しましょう。

 

終わりに

「Aシート」の需要はそれなりにあることが今回の乗車ではっきりとした。おそらく、大阪から姫路方面に走る通勤特急「らくラクはりま」についても同じことが言えるでしょう。今後も同じような方策が関西のいたる所で見られるかもしれません。

実際、座席に確実に座りたいというときに、こういう有料座席が利用できるというのは非常に助かるというもの。それも、特急列車などと比べて安価で利用できる、というものです。帰宅するときやレジャーでの利用など、様々な場面で活躍する場が出てくるのではないでしょうか。

ただ、システム部分が少々未熟かな、とは思います。私が乗車したときには乗務員二人が対応していたが、それでは料金の収受や発券業務等が追いつかない事態も出てくることだろう。さすがにJR東日本のグリーン車自由席並みにするのは難しいかもしれませんが、そのくらいの便利さにまで達してほしいと願うのは、私ばかりではないはずです。 この辺りは2023/10/09の時点では既に解決済です。着実にシステムが進歩しており、良いことだと思います。

また、現状は米原駅までは行かず、どんなに長くとも東は野洲駅止まりであることも難点でしょうか。特に青春18きっぷのシーズン中、米原駅から大垣・名古屋方面へ乗り換えようとするときに「Aシート」で乗り通せないのは、「18きっぱー」にとっては大きな壁になるかもしれません。

ともあれ、「Aシート」の改廃も含めて、今後のJR西日本の展開に注目したいところです。

 

追記

追記1:らくラクはりま乗車(2019/08/17)

その後、「らくラクはりま」にも乗車したのですが、実際の乗車状況は……。

 

追記2:Aシートに再度乗車(2019/08/25)

今月(8月)某日にAシートに再度乗車する機会がありました。区間は同じ「姫路から大阪まで」だが、今度は土曜日の朝方の列車でした。

それなりに認知されてきているのか、はたまた「18きっぱー」たちが多数いたかは分かりませんが、Aシートを狙いに来たと思われる乗客が多数いて、明石駅発車の時点でほぼ満席の状態だった。中には有料であることを知らずに乗った人もいましたが、ごく少数であった(なお、その客はしぶしぶ席料を支払って乗車を続けていた)。

やはり「Aシート」は増発するのが良いのではないのかな、と改めて思いました。今後の動向にいっそう注目したいところです。

 

追記3:現時点での全区間乗車達成(2019/10/21)

2019/10/20(日)に「Aシート」運行区間を乗り通してみました。詳細は以下からどうぞ。

追記4:いろいろと情報を追記、修正(2023/10/09)

この記事は4年以上前に公開しておりますが、無事にAシートが増発されたり、インターネット予約が可能となっていたりと、色々と状況が変わってきております。

今回の修正で最新の状況が反映されているかと思います。引き続きご参考いただけますと幸いです。