JR出雲市駅に停車しているサンライズ出雲号(JR西日本電車285系)

この記事では、2019年6月某日にサンライズ出雲号の「ノビノビ座席」に乗車した記録について書くこととする。

 

「サンライズ出雲」概要

サンライズ出雲号の専用方向幕

山陰本線、伯備線、山陽本線、東海道本線を経由して、出雲市駅と東京駅とを結ぶ寝台特急。日本で定期運行されているものとしては数少ない「寝台列車」となっている。((他には、同じ車両を使用した「サンライズ瀬戸」があるのみ。))

真夜中に走る列車ということもあってか、停車駅は上りと下りで若干異なっている。ここでは詳しくは書かないが、上りは浜松駅が「通過」扱い、下りは大阪駅と三ノ宮駅が「通過」扱いだ。いずれにしても、姫路駅以西と静岡駅以東の主要駅にはだいたい止まってくれるものと考えておけば良いだろう(小田原駅に停車しないのが少々気にはなるが)。

なお、多客期においては通常の便の他に臨時列車が運行されている場合がある。JR各社(東日本・東海・西日本)のリリースには注目してもらいたいところ。

 

「ノビノビ座席」とは

ノビノビ座席(下段)の様子。奥の左手には読書灯のスイッチと紙コップが置かれている

寝台列車に乗車する際には、「特急料金」とは別に「寝台席料金」が請求されるのが普通である。しかし、「サンライズ出雲」(および「サンライズ瀬戸」)について言えば、「普通車指定席」の料金で乗車できる席が用意されている(通称「ノビノビ座席」)。特に松江駅から東京駅までと言った長距離の移動になると、新幹線の特急料金等も気にせずに乗車できるため、かなり格安で移動できることになる。そのため、GWやお盆休みなどのホリデーシーズンにおいては、すぐに座席が埋まってしまうこともしばしばだ。

もし、試しに乗車したいというのであれば、あらかじめ乗車予定日を定めておいた上で、販売の始まる「1ヶ月前」にすぐにみどりの窓口まで直行するのが良いだろう。 また、上り列車のみ「みどりの券売機」等の高機能券売機で購入することもできるので、そちらを利用するのも手だ。((念のため、「シングル」「ソロ」などの寝台席は「みどりの券売機」では購入できない。面倒でも窓口まで行く必要がある。))

また、同じく上り列車のみ、「JRサイバーステーション」での空席確認も可能となっている。

 

なお、今年の7月1日乗車分より、JR東日本のインターネット予約サービス「えきねっと」でも取扱が開始されている。首都圏にお住まいの方ならば、一度利用してみるのも良いかもしれない。

また、今年の10月1日には、JR西日本の予約サービス「e5489」でも取扱が開始されることになっている。

 

「ノビノビ座席」車内設備

「安かろう悪かろう」という言葉の通り、設備は最低限度しかない。通路からは丸見えの構造となっているため、プライバシーすらまともに管理されていない。おまけにマット敷きの寝床ではお世辞にも寝心地が良いとは言えず、道中はかなりの苦痛を強いられることになるだろう。

さらに、車両自体が20年以上前に製造されたものということもあって、コンセントは一切付いていない。スマホなどを弄らずにはいられない方は、モバイルバッテリー等の充電機器が必須となる。

ノビノビ座席(上段)から窓側を望む。最低限の「掛けシーツ」などがあるのみで、枕さえない

こういったデメリットを理解して、ノビノビ座席を実際に利用するかどうかを検討するのが良いのではないかと思う。