この記事では、2019年6月某日にサンライズ出雲号の「ノビノビ座席」に乗車した記録について書くことといたします。
「サンライズ出雲」概要
山陰本線、伯備線、山陽本線、東海道本線を経由して、出雲市駅と東京駅とを結ぶ寝台特急です。日本で定期運行されているものとしては数少ない「寝台列車」となっている。
真夜中に走る列車ということもあってか、停車駅は上りと下りで若干異なっています。ここでは詳しくは書きませんが、上りは浜松駅が「通過」扱い、下りは大阪駅と三ノ宮駅が「通過」扱いです。いずれにしても、姫路駅以西と静岡駅以東の主要駅(小田原駅を除く)にはだいたい止まってくれるものと考えておけば良いでしょう。
なお、多客期においては通常の便の他に臨時列車が運行されている場合があります。JR各社(東日本・東海・西日本)のリリースには注目していただきたいところです。
「ノビノビ座席」とは
寝台列車に乗車する際には、「特急料金」とは別に「寝台席料金」が請求されるのが普通です。しかし、「サンライズ出雲」および「サンライズ瀬戸」について言えば、「普通車指定席」の料金で乗車できる席が用意されています(通称「ノビノビ座席」)。
特に松江駅から東京駅までと言った長距離の移動になると、新幹線の特急料金等も気にせずに乗車できるため、かなり格安で移動できることになります。そのため、GWやお盆休みなどのホリデーシーズンにおいては、すぐに座席が埋まってしまうこともしばしばです。
もし、試しに乗車したいというのであれば、あらかじめ乗車する日を決めておき、販売の始まる「1ヶ月前」にすぐにみどりの窓口まで直行するのが良いでしょう。 また、上り列車のみ「みどりの券売機」等の高機能券売機で購入することもできますので、そちらを利用するのも手です。
また、同じく上り列車のみ、「JRサイバーステーション」での空席確認も可能となっています。(2023年現在は閲覧不可)
なお、今年の7月1日乗車分より、JR東日本のインターネット予約サービス「えきねっと」でも取扱が開始されています。首都圏にお住まいの方ならば、一度利用してみるのも良いかもしれません。
また、今年の10月1日には、JR西日本の予約サービス「e5489」でも取扱が開始されることになっております。
【追記】2023年現在の公式予約サイト
2023/10/11現在、以下のページにおいて全ての席が予約できるようになっています。
「ノビノビ座席」車内設備
「安かろう悪かろう」という言葉の通り、設備は最低限度しかありません。通路からは丸見えの構造となっているため、プライバシーすらまともに管理されておりません。おまけにマット敷きの寝床ではお世辞にも寝心地が良いとは言えず、道中はかなりの苦痛を強いられることになるでしょう。
車両自体が20年以上前に製造されたものということもあって、コンセントは一切付いていません。スマホなどを弄らずにはいられない方は、モバイルバッテリー等の充電機器が必須となります。
こういったデメリットを理解して、ノビノビ座席を実際に利用するかどうかを検討するのが良いでしょう。
他の設備・個室について(参考)
ラウンジ
ソロ(個室の例として)
乗車した感想
今回は乗車そのものが目的だったため、出雲市駅から姫路駅までという、比較的短い距離での移動となりました。「みどりの券売機」で実際に購入できるかどうか確かめたかった、という個人的事情もあるのですが(苦笑)。
それでも、およそ4時間40分という長時間もの間、あの空間の中をずっと居続けるというのはなかなか難しいものです。地面は固いし、個室ではない分だけ常に気を張っていなければならないのですから、少々ストレスは感じられました。
個人的には、短距離での移動ならば何とか使えるかな、というところ。例えば、出雲市駅から大阪駅まで、あるいは静岡駅から東京駅まで、と言ったような使い方ならばあまり問題はないでしょう。
逆に、あの「座席」で一夜を過ごした後に太平洋からの日の出を見るというのは、苦痛にもほどがあります。時折ラウンジやお手洗いなどに移動することがなければ、私にはまず無理です。
やはり、せっかくの寝台特急なのだから、長距離移動の場合は「シングル」や「ソロ」などのまともな席に乗る方がずっと良いように思われるし、一晩過ごした後の気分の良さも全然違います。
岡山や姫路にはちょくちょく遊びに行っていますので、そちらまで行く際には「ノビノビ座席」を使うこともあるかもしれないが、そうでもない限りは今後使うことはまずないでしょう。