この記事では、タイトルにある通りの事件について、個人的に思うところや教訓などを簡単にまとめています。
騒動の概略
昨日(2023年8月20日)、X(旧Twitter)上を賑わせた上記のニュース。古い投稿(ツイート)の添付画像データがあらかた削除されてしまったのではという1ユーザーの報告を皮切りに、瞬く間に大騒動に発展しました。
上の記事の通り、結果として画像データ自体はまだ残っておりました。しかし、当該の投稿について画像データを見つけるためには、Twilogやtogetter、あるいはブログ(自動保存機能)といった外部の保存ログ等から突き止めないといけなくなっております。どっちみち、長期ユーザーにとっては面倒な話には変わりはありません。一方で、Twilogという便利な保存サービスのありがたみを感じた方も少なくないと思われます。
そして、上述の通り、すでに火の種は一週間ほど前から存在していたようです。ただ、ずいぶん前の画像が削除されているように見えることが分かってしまってから(実際にはリンク切れの頻発によって非表示になっているだけ)、たちまち大きな騒動となってしまいました。やはり、誰の目にも結果が明らかであった方が話は伝わりやすい、というところでしょうか。
所感
データが完全に削除されたわけではなく、探そうと思えば探せる状況であるので、まずは一安心です(上記の通り、かなり面倒ではあるのですが)。
ただ、個人的には、そもそも短縮用ドメイン「t.co」が使用不能に陥っているように見えること自体が大きな問題だと考えております。また、現時点でバグ(?)について何の告知もないことも良くないと思います。
いずれにせよ、今のX(旧Twitter)の信用が落ちてきていることも如実に示された事件だったとも言えるでしょう。「今の運営ならば本当にあってもおかしくない」と思われていたからこそ、ここまで話が広まってしまった件はありましたからね。
今回の件に限らず、ネット上の情報は未来永劫残っているとは限りません。必要に応じてバックアップを取るということの重要性は、いくらでも伝えられるべきでしょう。大切な情報を完全に失ってしまった後、取り返しの付かないことをしてしまったといくら悔やんでも、もはや取り戻すことはほぼ不可能なのですから。
参考
「t.co」について
こちらの短縮用ドメインは2010年頃より運用を開始され、ポスト(ツイート)内にURLが入力されている場合は強制的にこちらの短縮用ドメインを用いたアドレスに切り替わる運用がなされています。
そのため、「t.co」は長らくTwitterを支えてきたサービスと言っても過言ではなく、それだけに使用不能の状態が続いているということは結構不可解に感じるのですね。
twilogについて
ツイート取得・保存サービス「Twilog」は従来は個人運営のサービスでしたが、2023年3月下旬、twitter(当時)のAPI利用の厳格化に対応しきれず、保存サービスを一時停止しておりました。しかし、その後同年5月に、togetterの運営会社に買収され、無事にサービスを再開しております。
データ保全の観点から見ても買収の判断が正しかったということが、今回の騒動で暗に示されたのではないでしょうか。
この記事のまとめ
- Twitter上の画像データは残ってはいますが、場合によっては探し当てるのに手間がかかるかもしれません。
- Twitterの根幹を揺るがすトラブルが起こっており、なおかつそれについて未発表の状況が続いていることは、やはり大きな問題だと思われます。
- 積極的にTwilogなどのバックアップツールを使い、いざという時に備えるようにすると良いでしょう。大切なものがなくなってしまってからでは遅いです。
【追記】運営も問題を認知し修正対応へ
上記記事の通り、X(旧Twitter)の運営も問題を認知し、バグも修正の方向に向かっているそうな。1
この一連の対応には不信感も少なくありませんでしたが、今回はひとまず解決していきそうで一件落着というところですね。
脚注
- https://twitter.com/Support/status/1693732980324536695 (日本時間2023年8月22日 6時13分のポスト) ↩︎